「日向坂で会いましょう」がおもしろい

2021年3月23日火曜日

Entertainment Idol

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テレビ東京で毎週日曜25:05~放送されている「日向坂で会いましょう」。
3/21の放送がちょうど100回目とのことで、おめでとうございます。


ドルヲタなら当然知っているだろうし、一般の人もタイトルからなんとなく想像はできると思うが、「日向坂で会いましょう」(ひなあい)は日向坂46の冠番組だ。

同時間帯は、乃木坂46の「乃木坂工事中」(乃木中)、櫻坂46の「そこ曲がったら、櫻坂?」(そこさく)、そしてひなあいと坂道グループの冠番組が3つ続けて放送されている。
3番組とも、芸人をMCに据えてアイドルが色んな企画を行う、そんなよくあるアイドル番組のフォーマットの番組だ。どれも番組構成やスタジオの雰囲気がほぼ同じ。3組とも同じソニー系の事務所だし、番組の制作会社も同じなので、当然と言えば当然だ。

アイドル番組においては、アイドルは基本的にかっこいい・かわいいだけでよい。視聴者もそれを望んでいるはず。乃木中やそこさくは基本的にこのコンセプトに沿っているし、メンバーのかわいいところが視られるように作られている。

ひなあいも基本は同じで、メンバーのかわいさを引き出そうとしている…はずなのだが、明らかにそうではないところがある。どう見ても、普通のバラエティ番組をやろうとしているところがチラホラ見受けられる。


例を挙げればキリがないが、先日放送の「日向坂46の!芸能界をまだまだ生き抜こう!!」の回はなんかは、その頭のおかしさが、如実に表れていたのではないかと。

バラエティ番組での処世術をゲストのアンガールズ田中から学ぶ、との企画。
アイドル番組としては、もうこの時点でおかしい。Aマッソが事務所の先輩であるアンガ田中からテレビで売れる方法の講義を受ける動画と似たような内容だと思うのだが、そんなことをアイドルに教えようと考えている時点で、日向坂運営および番組スタッフは頭がおかしい(最大限の誉め言葉)。

さらに、その中の1コーナーがもうひどい。

・金村美玖が「クイズ番組などでボケ回答を出したときにスベってしまう。どうしたらよいか?」と質問

・アンガ田中が「ますだおかだ岡田さんみたいに、スベったとき用の一発逆転のワンフレーズを用意しておくとよい」と回答

・司会のオードリーが「では、その練習をしましょう」と振って、大喜利大会開始

この流れの全部が普通のアイドル番組ではない。
そして大喜利では、「頭がよくなる方法第84位は?」などの芸人が普通にやる問題に解答し、もしもスベったときにはもう一言何か言う、との課題がメンバーに与えられる。いやこれは芸人でもなかなか厳しいのではないかと。

また、前述の質疑応答のとき、アンガ田中は「アイドルは正解出せばいいと思うよ。」と至極真っ当な回答をしているのだが、そのときのテロップで「目から鱗の突破方法!」と出していることが、スタッフがアイドル番組をやろうとしていないことがよくわかる。
さらに、「芸人がボケをやって、最後にアイドルが持っていく、との流れがきれい。」と昔のテレビ番組での一般的な流れを説明しているときに、メンバーがみんな「えーっ!?」って感じになっていたので、日向坂が普段からいかに普通のアイドルの扱いを受けていないかがよくわかる。


とにかくバラエティ番組をやるために、芸人でも厳しいことを日向坂のメンバーにさせようとするのだが、彼女たちはすべてをこなしていき、そして、できてしまうのである。

もちろん、オードリーの回しとスタッフの編集の力がものすごく大きいのだが、そのための素材が提供できているわけである。「尺の都合で泣く泣くカット」ということも結構あるようなので、いつも取れ高は十分なのだろう。


そんなことができるのは「メンバー全員がバラエティに前のめりなこと」が一番の理由だろうか。ここでのポイントは"メンバー全員が"の部分である。

最近のアイドルグループには、いわゆる"バラエティ班"が存在するのが当たり前で、歌番組のトークコーナーやバラエティ番組などでは、そのバラエティ班ががんばるのが標準的なスタイルだ。
当然日向坂にもバラエティ班は存在する。佐々木久美、加藤史帆、冨田鈴花、松田好花、渡邉美穂あたりがその代表格で、ひなあいでも積極的に前に出て活躍している。だが、その他のメンバーもなにがしかおもしろ要素に関わってくることが多い。
日向坂になってからずっとセンターを張ってきた小坂菜緒や、優等生タイプの金村美玖などは、他のグループならおそろく黙ってニコニコしているだけでよいポジションのはずなのだが、いつもノリノリで入ってくるのである。

30分番組なので、1回の放送内でメンバー22人全員が目立つことはないのだが、数回視れば全員が必ずどこかでフィーチャーされているのではないだろうか。つまり全員がバラエティ班であると言っても過言ではないかと。


そして、このバラエティに前のめりなメンバーたちをうまく操る司会のオードリーの存在はかなり大きい。

乃木中ではバナナマンが、そこさくでは土田晃之とハライチ澤部が、それぞれの番組のMCを務めている。ひなあいのオードリーも含めて、これまでに数々のテレビ番組を仕切ってきた人たちで、実力も実績も申し分ない。この人たちのおかげで番組が盛り上がっているのは間違いない。
この3番組は番組フォーマットが同じなので、出演者が違うだけで、ほぼ同じものと見られがちだ。しかし、ひなあいMCに関しては、他の2番組とは大きく違う点が2つあると思っている。

1つは、MCによる明確な贔屓メンバーの存在。

若林は高本彩花と小坂菜緒を、春日は丹生明里を明確に贔屓している。
通常なら視聴者からの反感を買うので、アイドル番組での贔屓はご法度。番組内で若林も「こういう番組で贔屓をしてはいけない。」と言っている。しかし続けて「だから贔屓することがおもしろい。」と明言していたので、これからもこの贔屓は続くだろう。
この贔屓に対して明確に反対の姿勢を示すメンバーも居るのだが、そこまで含めて一連の流れが完全にできあがっている。これを待っているファンも多いのではないだろうか。

もう1つは、MCの両名がメンバーにいじられること。

坂道メンバーからいじられるのは、乃木中では日村、そこさくでは澤部であることがほとんどだ。ひなあいの場合、この立ち位置は当然春日となり、金曜日の件、くみさん(春日の奥さん)の件、変態の件などでいじられるのはまあ当然だろう。
しかし、前述の贔屓の件や、幼顔な件、電撃婚のことなどで、若林もちょくちょくメンバーにいじられるのである。設楽や土田がいじられることもなくはないが、圧倒的に若林のいじられ数が多い。

近年の若林は、他のバラエティ番組ではいじられることも少なくなったと思うのだが、そこにガンガン入ってくる日向坂のメンバーはすごいし、それを嫌がっている体で強めに返してくる若林もすごいなと。


日向坂46は、これからもおもしろい「バラエティ番組」を提供してくれるだろうが、ちょっと残念なお知らせが。
現在でもテレ東以外では4局しかネットしていない。以前大阪に行ったとき、乃木中はやってたが、そこさくもひなあいもやっていないかったのにびっくりした。そうかだから関西のヲタクにはあまり話が伝わらなかったのかと思った記憶がある。
そして、4月以降はそのネットも終了して、テレ東ローカルとなるらしい。

その代わり、dTVで配信されることになったので、逆に全国で視られることになっている。まあ確かに有料化してもいけると思うくらいの番組ではあるので、関東圏以外の方にもぜひ視ていただきたい。


#日向坂46 #日向坂で会いましょう #ひなあい

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